ふと不意に自分の有給休暇ってどうなっているんだろう、と考える時があります。
有給休暇について仕組みを把握し、どんなペースで消化すべきなのか私の見解を紹介したいと思います。
有給休暇は2年で消滅する。
不思議な事に有給休暇は使用しなければ消滅します。
年次有給休暇は、発生の日から2年間で時効により消滅します(労働基準法第115条)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
非常に悲しい事実です。
付与される有給休暇の日数は勤続年数などによって様々です。
勤続年数が6年半以上で週の所定の労働日数が5日であれば、多くの場合は20日間分の有給休暇が付与されます。
有給休暇の時効は付与がされてから2年間。つまり保有できる最大の有給休暇日数は20日間*2年分=40日間分近くとなります。
ある程度の勤続年数があり、保有している有給休暇日数20日〜40日の方の場合は近々消滅してしまう有給休暇を抱えている事になるのでなるべく消化される事をおすすめします。
私の場合、時効のために過去14日間分の有給休暇を消滅させてしまいました。
非常にもったいない…。
ちなみに一部の企業では消滅してしまう有給休暇分を積立有給などの別名称に変えてストックしてくれる制度があります。
積立有給休暇制度とは、通常2年で時効消滅する年次有給休暇を一定期間積み立てておけるようにする制度です。法律で定められた制度ではないため、ストック有給制度、積立保存制度、特別積立休暇など企業ごとに様々な名前で呼ばれています。
https://smbiz.asahi.com/article/14586224
積立有給制度は多様な働き方を支援するとてもメリットのある良い制度です。
その一方で、法律で定められた制度ではない為に、その使用条件には企業側の裁量が加わる事が多く、通常の有給休暇と比べて使用するにあたっての自由度が少ない場合が多いです。
私は積立となる前に有給休暇を消化する事をおすすめしています。
ペース配分を意識して消滅前に有給を消化しよう
年10日以上の年次有給休暇が付与される場合、そのうちの5日間は取得の時季を指定を受けます。
年次有給休暇の時季指定義務
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf
年次有給休暇は、原則として、労働者が請求する時季に与えることとされていますが、 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対しては、年次有給休暇の日数のうち 年5日について、使用者が時季を指定して取得させることが必要です。
年次有給休暇が20日間付与され全て消化しようと考える場合、上記の5日分を差し引いても残り15日間。
概ね月1日以上のペースで自ら有給休暇の申請をして消化する必要があります。
会社の年間休日が仮に120日間だとすれば、20日間の有給をきちんと使えば実質の年間休日は140日間に。
なかなか良い条件に思えてきます。
退職前に一括で有給休暇を取得したい場合も注意
有給休暇について詳しく知る前は、溜まった有給はなんとなく退職前に一括して取得すればいいや、と考えていました。
転職や新生活の環境を変える期間として退職前に使用する有給を保有しておくという考え方はあってよいと思います。
しかし、それは退職予定の2年前から考慮すればよい話です。
今まで退職前までに付与された有給休暇は、その全てが残っているわけではなく、定期的に消化していなければ消滅しています。
単純に消滅していってしまう有給だけはなんとしてでも消化すべきというのが主張です。
そしてさらに言えば、退職前に一括して取得する有給休暇も出来れば残しておきたくないというのが本音です。
仮に退職間際の引継ぎ業務がうまく事運ばずとなれば有給を使えずそのまま退職という事態に陥る可能性があります。
退職間際に有給を使いきれず消滅というのはできるだけ避けたい。
有給休暇の買い取りについて
退職間際に消化しきれない有給について、一部買い取りができる例もあると思います。
ただしはそれは例外的なケースであり、有給休暇の買い上げについて基本的に法律上は何も規定がありません。
会社側は有給を買取しないという選択もできるという点は注意すべきです。
会社の就業規則をよく確認し、どのように運用されるのか詳しく確認しておくべきです。
ちなみに私の勤める会社の就業規則には有給買取について特に記載がなかった様なので、やはりすっきり使用して終わりにしたいと考えています。
年次有給休暇は法律で定められた労働者に与えられた権利です。
権利という部分にばかり焦点をあて、好き放題に行使することは個人的におすすめはできませんが、周囲との業務調整をきちんとしながら計画的に取得するのがよいと思います。
それでは。
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